身分・門地・地位・名誉
身分
一般的には、社会生活上の一定の地位、序列を意味するが、法令上は様々に用いられる。
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民法では、「嫡出子の身分」(七八九・八〇九)のように、親族法上の特定の地位をいう。
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公務員の身分とは、公務員として占める地位、その地位に伴う権利義務等を指す。
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刑法では、特定の犯罪について、その主体となるために必要とされる特殊な地位又は状態をいう(身分犯)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
社会的身分
社会的身分とは、「人が社会において占める継続的な地位」をいいます(憲法14条1項,最大判昭和39年5月27日民集第18巻4号676頁)
門地
家柄のこと。華族、公卿(くぎょう)、諸侯などの子孫といったような封建的、特権的な身分を意味する。旧憲法下では、華族は貴族院議員になることができるなど種々の特権を伴っていたが、現行憲法においては、全ての国民は法の下に平等であるとして、門地による法的な差別を禁じている(一四①)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
名誉
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民法上は、人(法人を含む)の声価に対する社会的評価をいう。すなわち、「人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を指す」(最判昭四五・一二・一八)。
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刑法上は、人(法人その他の団体、死者を含む)の価値に対する事実上の評価をいうが、経済的見地からの社会的評価である信用の侵害については別個に処罰の対象としているので(刑二三三)、この信用は名誉に含まれない。名誉には、いわゆる社会的名誉と個人の主観的な名誉感情があるが、通説・判例は、名誉感情を名誉毀損罪(刑二三〇)や侮辱罪(刑二三一)の保護法益とするのは正当ではないとする。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
ー刑法上の身分ー
賭博常習者
賭博常習者とは、「賭博を反覆する習癖・即ち犯罪者の属性による刑法上の身分」をいいます(最大判昭和26年8月1日刑集第5巻9号1709頁参照)。同判例によって,「憲法一四条にいわゆる社会的身分と解することはできない」とされました。