解任・解職・免職・罷免・弾劾・失職
解任
一定の地位、任務等に就いている者に対し、その地位から退かせ、又は任務等を解くこと。例えば、代理人による復代理人の解任(民一〇五②)、株主総会の決議による取締役の解任(会社三三九)。一定の地位、任務等に就いている者に対し、その地位から退かせ、又は任務等を解くこと。例えば、代理人による復代理人の解任(民一〇五②)、株主総会の決議による取締役の解任(会社三三九)。一定の地位、任務等に就いている者に対し、その地位から退かせ、又は任務等を解くこと。例えば、代理人による復代理人の解任(民一〇五②)、株主総会の決議による取締役の解任(会社三三九)。
解職
ある地位又は任務に就いている者をその地位又は任務から去らせること。リコールにより失職させる場合に多く用いられる。例、「選挙権を有する者は…その総数の三分の一…以上の者の連署をもつて…選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共団体の長の解職の請求をすることができる」(自治八一)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
免職
公務員をその意に反して、又はその願い出によってその職を失わせること。前者については、公務員法上、分限免職と懲戒免職があり、いずれもその事由が限定されている(国公七八・八二、地公二八・二九)。「罷免」とか「解職」の語が用いられることもある。後者の願い出によるものを、通常、依願免職という。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
免官
官吏関係を解除する行為。現在の国家公務員法は、官と職を分離しないので、免官に代えて一般的に「免職」という概念を用いている。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
罷免
本人の意に反して公職を免ずること。免職と同義。日本国憲法(一五①等)をはじめ警察法、労働組合法等でこの語を用いている。「免職」については、国家公務員法及び地方公務員法等に用例がみられる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
弾劾
身分保障のある特定の公務員について職務上の義務違反や非行などがあった場合に、その者を訴追し、罷免する特別の手続。
裁判官については、国会の裁判官訴追委員会の訴追を受けて国会の裁判官弾劾裁判所が裁判を行う。裁判官は、罷免の裁判の宣告によって罷免される(憲六四等)。
人事院の人事官については、国会の訴追に基づき、最高裁判所が弾劾の裁判を行う(国公九)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
失職
職員が法令の定める欠格条項に該当することによって当然にその職を失うこと。国家公務員が国家公務員法三八条各号のいずれか(禁錮以上の刑に処せられるなど)に該当するに至ったときは、当然失職する(人事院規則に定める場合を除く。もっともこの人事院規則は制定されていない)(国公七六。なお、地公二八④)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
失官
特定の官にある者が、一定の事実の発生により法律上当然にその官である地位を失うこと。例、「検査官は、刑事裁判により禁錮以上の刑に処せられたときは、その官を失う」(会検七)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
コラムー弾劾制度ー
弾劾とは、罪や不正を暴くとか、厳しく責任を問うといった意味です。このことから、大統領や大臣あるいは裁判官など、強い身分保障を受けた公務員が非行を犯した場合に、国民の意思によってその者を罷免する制度のことを一般に「弾劾制度」といいます(裁判官弾劾裁判所「裁判官弾劾裁判所とは?」参照)。
国民は,公務員を選定、罷免する権利を有しています(日本国憲法15条1項)。他方,公務員たる裁判官についてみると,その職権の独立が明文をもって規定されており(憲法76条3項),その独立を確保するために裁判官の身分を保障することが要請されます。
そこで,これら国民の公務員罷免権と裁判官の身分保障の要請との調和を図るために、「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない」という他の公務員に比して強い身分保障が定められています(憲法78条前段)。
同条の「公の」とは,国民に公務員罷免権が付与されていることに鑑み,国民の意思に基礎をもち、公的手続によるという趣旨であると考えられます。
国民の意思を反映するため,罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するための機関である弾劾裁判所は,国民の代表たる両議院の議員で構成されなければならないと憲法上定められています(憲法64条1項)。また,裁判官の罷免の訴追を行う機関として,裁判官訴追委員会が設けられ,こちらも両議院の議員で構成されなければならないとされています(国会法126条1項)。
そして,いわゆる裁判官弾劾制度が裁判官弾劾法で定められています。
参照 裁判官訴追委員会「裁判官弾劾制度(1)」
出典:「裁判官弾劾手続の流れ」(裁判官訴追委員会)