保有・所有・所持・占有

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保有

  1. あるものを自己の支配下に置いている状態のこと。所有権に基づく「支配」のみならず、賃借権等の使用収益権その他の権原に基づく「支配」をも含み、「所有」よりも幅広い概念である。例えば、「農地保有の合理化」(農振地域一八)など。

  2. 所有」と同義に用いられる場合もある。

  3. その他特殊な用例として、身分、地位等を有するという意味で用いられる場合もある。例えば、「職員としての身分を保有する」(国公八〇④)など。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

所有

特定の物について所有権を有すること。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

所持

  1. 民法上は、ある人が物を事実上支配していると認められる客観的状態をいい、占有の要素とされる。現実に直接物を把握している必要はなく、例えば、留守宅における保管や使用人に保管させることも所持に当たる。

  2. 刑法上は、支配の意思をもって事実上物をその支配下に置くことを意味する。民法上の所持の概念と異なり、占有と同義。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

占有

  1. 民法上は、自己のためにする意思で物を所持すること(一八〇)。「所持」とは、社会通念に照らして物を事実上支配すると認められる状態をいい、他人を通じて物を所持することも可能である。また、「自己のためにする意思」についても判例・学説は極めて緩やかに解している。

  2. 刑法上は、支配の意思で事実上財物を支配すること(二四二・二五二等)。自己のためにする意思を要せず、他人のために財物を所持する場合も含むが、代理占有や占有の相続は認められない。また、常に物理的な握持を要するものでなく、財物を監視しなければならないものでもない。なお、各犯罪の罪質によって占有概念の内容に若干の差異はある。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

コラムー所有の形態ー

​共同所有

複数の者が同一の物を共同して所有すること。共有合有総有に大別されるが、最近は、これにとらわれず、具体的な法律関係ごとに法律効果を考えるべきであると説かれる。共有は、民法の原則とする単独所有に最も近い形態で、各人は、所有権を分有し、その持分権を自由に処分でき、分割請求ができる。総有は、最も団体主義的色彩が強く、各人に持分権はなく、分割請求はできない。合有は、両者の中間で、共同目的のために持分権の処分と分割請求は制約される。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​コラムー共同所有の形態ー

共有

広くは共同所有の意味でも用いられるが、普通はその一形態として民法に規定されている共有(二四九~二六二)を指し、一個の所有権を二人以上の者が量的に分有する形態。各共有者の有する権利を持分(権)というが、各共有者はこれを自由に処分することができる。民法はその他、共有物の使用、変更、管理、負担、分割請求等について規定している。なお、民法は組合財産、共同相続財産について共有としているが(六六八・八九八)、学説は、組合財産はその本質は合有であるとするのが有力。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

合有

共同所有の一形態を指す講学上の概念で、共有と総有の中間に位置し、合手的共有、総手的共有ともいう。各共同所有者は、持分を潜在的には有するが、処分の自由を否定され、目的物の分割請求の自由もないなど、共同目的のために団体的制約を受けている。民法上、組合財産は総組合員の共有に属すると規定されているが(六六八)、学説上は合有と解する説が有力である。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

総有

共同所有の一形態。入会(いりあい)権の場合や権利能力のない社団の所有形態のように、共同所有者は一つの団体を形成し、その構成員である各共同所有者は使用、収益の権能をもつが、処分の権能は団体に属する。個人主義的な共同所有形態である共有と異なり、各構成員は持分権をもたず、分割の請求もできない。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]


 

コラムー占有の分類ー

①形態による分類

​自己占有

占有者が自ら目的物を所持する占有。占有の基本形態である。他人により物を占有する代理占有に対する。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

​代理占有

他人の所持を通して本人が物の占有権を持つ関係(民一八一・二〇四)。自己占有に対する。代理人の所持、代理人の本人のためにする意思、本人・代理人間の占有代理関係が成立要件とされる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

②所有の意思の有無による分類

自主占有

所有の意思をもってする占有。他主占有に対する。占有者に所有権原があることは必要ではなく、盗人も自主占有者に当たる。占有者は自主占有者と推定される(民一八六①)。自主占有は所有権の取得時効の要件とされる(一六二)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

​他主占有

所有の意思のない占有(例、賃借人の占有)。自主占有に対する。これを自主占有に変えるためには、自己に占有をさせた者に対して所有の意思のあることを表示し又は新権原によって更に所有の意思で占有を始めることを必要とする(民一八五)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

③本権に対する善意・悪意による分類

​悪意占有

占有を法律上正当にさせる権利(本権)のない占有者が、自己に本権がないことを知って、又は本権の有無につき疑いをもってする占有。善意占有とは、取得時効、即時取得等で効果が異なる(民一六二・一九二)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

善意占有

本権があると信じて占有していること(民一六二②・一八六①・一八九・一九二)。本権がないことを知っていながら占有している悪意占有に対する。一般の善意・悪意の区別と異なり、本権の有無について疑いを持っている場合は悪意占有とされている。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

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