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​委託・委嘱・請託

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委託

一般に、法律行為又は事実行為を他人又は他の機関に依頼すること。

  1. 私法関係については、その一般的規律は民法が行っているが、特殊な形態として、仲立、取次ぎ、手形・小切手による支払委託などがある。

  2. 公法関係では、対等の国、地方公共団体等の機関の間又は少なくともその機関に対し特別な権力関係に服さない機関若しくは私人との間の具体的な事務又は業務の依頼に用いられる。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

委嘱

  1. 一定の事実行為又は事務を他人に依頼すること。「委託」とほぼ同じ。例、「司書及び司書補の講習は、大学が、文部科学大臣の委嘱を受けて行う」(図六①)などがある。

  2. 行政機関に置かれる審議会等の委員等に、当該行政機関以外の行政機関の職員、民間の学識経験者等を任命する場合に用いる。法令上は、この用例が一般。例、「委員は、都道府県知事が委嘱する」(国健保八八②)などがある。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

請託

賄賂罪において、贈賄者側から収賄者側に、職務上特定の行為をするよう依頼すること。必ずしも法を曲げてすることを依頼する場合に限らない。贈賄者側については刑は変わらないが、請託を受けた収賄者については、受託収賄罪が成立し、刑が加重される(刑一九七①後段)。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​受託

一般的に、委託委嘱あるいは請託を受けること。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

嘱託

  1. 一定の行為をすることを他人に依頼すること。「人をその嘱託を受け…殺した者」(刑二〇二)、「女子の嘱託」(二一三)等の用例がある。公の機関が他の機関等に一定の行為を依頼するときに多く用いられる。嘱託登記(不登一六)、訴訟手続における嘱託(民訴一八六、刑訴一二五)等がその例。

  2. 公の機関が、正式に職員に任命しないで、ある人に一定の業務に携わることを依頼したとき、その人の地位を「嘱託」又は「嘱託員」という。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

鑑定嘱託

鑑定嘱託とは,検察官、検察事務官又は司法警察職員が、犯罪の捜査をするについて必要があるとき場合に、被疑者以外の者に鑑定を嘱託することいいます(刑事訴訟法223条)。
 

ー他人に事務を委託する契約ー

委任

  1. 当事者の一方が他方に事務の処理を委託し、他方がこれを承諾することで成立する契約(民六四三~六五六)。民法は法律行為以外の事務の委託を準委任として区別するが、準委任には委任の規定が全面的に準用されている(六五六)。受任者は善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務を負う。当事者間の信頼関係が基礎となるので、いつでも解約が可能。なお、委任には代理権の授与を伴うことが多い。

  2. 行政庁がその権限を他の行政庁に委任するのを「権限の委任」という。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

準委任

法律行為でない事務の処理を委託する契約(民六五六)。財産管理の委託、講演の依頼の委託などはその例。委任の規定が全て準用され、委任と特に区別する実益はなく、単なる概念上の区別。
 

​受任

委任契約において、当事者の一方の委任を受けて法律行為をすることを承諾すること。例、「弁護士は、受任している事件について」(弁護二三の二①)。この承諾をした他方の当事者を受任者という。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​引受け

一定の行為をすること、義務を負担すること等を約すること。例えば、「郵便物の引受け」、「寄託の引受け」等。また、「身元の引受け」などは担保に近い概念である。なお、「債務の引受け」、「手形の引受け」、「株式の引受け」等は、更に特定の意味を付加された特殊の法律上の概念である。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

ー権限の委任・権限の代理ー

権限の委任

講学上の用語で、行政庁がその権限の一部を他の行政機関(通常は下級行政庁又は補助機関)に委譲すること。権限の委任があったときは、通常その委任の範囲内において委任庁は当該権限を行使し得ず、受任機関が自己の名と責任においてこれを行使する。法律上の権限の分配に変更を加えるものなので、法の明示の根拠を要する(国公二一等)。なお、地方自治法では「その権限に属する事務の一部を…委任」することができるとしている(一五三①②・一八〇の二等)が、この事務の委任も権限の委任の一種である。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

権限の代理
ある行政庁の権限をその行政庁の代理として他の行政機関が行使すること。権限の委任とは異なり、権限そのものが委譲されるのではなく、代理者は被代理庁の権限を行使し、その行為は被代理庁の行為としての効果を生ずる。権限を有する者(行政庁)に事故が生じたときなどに法律の規定に基づいて発生する代理関係を法定代理、権限を有する者の授権行為に基づいて発生する代理関係を授権代理という。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

​代決・専決ー

​代決

行政庁の内部委任のこと。行政庁が一定の行為をする場合に、内部的に補助機関にその行為についての決定(決裁)の権限を委任すること。外部に対しては行政庁の名でその行為が行われる。専決とほぼ同意義に用いられる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

専決

行政上の事務処理方式の一種で、行政庁(例、大臣)があらかじめ補助機関(例、局長)に一定の事務について決裁し得る権限を付与している場合に、後者がその権限に基づき前者の名において決裁すること。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

民間委託

 

​民間委託

民間委託とは,国又は地方公共団体が,その事務及び事業のうち自ら実施する必要性に乏しく,民間が担うことができるものについて,民間に委託することをいいます。

以下のような例があります。

  1. 民間に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねることが、より自由で活力ある経済社会の実現に資する(郵政民営化法1条)

  2. 国の事務及び事業であっても、国が自ら実施する必要性に乏しく、民間に委託して実施する方が効率的であるものについては、民間への委託を進める(中央省庁等改革基本法32条3号)

  3. 国の行政機関等又は地方公共団体が自ら実施する公共サービスに関し、その実施を民間が担うことができるものは民間にゆだねる(競争の導入による公共サービスの改革に関する法律1条)。


 

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