​譲渡・付与・授与・供与

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​譲渡

権利、財産、法律上の地位等を、他人に移転すること。有償の場合も無償の場合もある。通常は、移転の両当事者の契約によって行われる。譲渡の対象は、物権、債権その他の財産権であることが多いが、商号、株式、営業、事業等もその対象とされる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

付与

権利や物を授け与えること。無償で与える(「譲与」と同義)の意味に用いた例もあるが、必ずしもこれに限られない。例、「執行文の付与」(民執二六)、「権利を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して対価を支払うことを約する取引」(商取二⑭)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

授与

授け与えること。通常、その主体が優越的立場にある場合に用いられる。用例としては、栄典の授与(憲七)、免許状の授与(教職免許五)、試験の合格証書の授与(司試九、会計士一二等)等がある。
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​供与

​相手方に金銭、物品その他の利益を提供し取得させること。刑法の贈賄罪(一九八)、公職選挙法の買収罪(二二一)等の要件である行為に当たる。なお、公職選挙法では物品等の占有を相手方に移転する行為を交付といい、被買収者に供与する目的で選挙運動者に物品等を交付する行為にも罰則がある。

ー譲り渡す・譲り受けるー​

​譲り渡す

権利、財産、法律上の地位等を、その同一性を保持させつつ、他人に移転すること。有償・無償を問わない。原始取得に対し、承継取得の原因の一つとなる行為。「譲渡」と同じ意味。例、「出資者は、その持分を譲り渡すことができる」(日本勤労者住宅協会法七①)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

譲り受ける

権利、財産、法律上の地位等を、その同一性を保持させつつ、他人から移転されること。例、「株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産」(会社二八
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

ー財産権の無償譲渡ー

​贈与

当事者の一方(贈与者)が自己の財産を無償で相手方(受贈者)に与える意思を表示し、相手がそれを受諾することによって成立する契約(民五四九以下)。諾成、片務、無償、不要式の契約である。無償契約のため拘束力が弱く、例えば、書面によらない贈与は、履行の終わらない部分について取り消すことができる。なお、特殊な贈与として、負担付贈与現実贈与定期贈与死因贈与がある。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

譲与
ある財産権の他人への譲渡が無償で行われること。公の機関が無償で譲渡する場合に用いられ(国財一八、道九四②等)、民法の場合は「贈与」という(五四九以下)。また、皇室用財産については「賜与」といわれる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

賜与

皇室が財産を譲与(ある財産権を他の者に無償で移転すること)する行為(憲八、皇経二)。皇室が賜与をするには、国会の議決を経ることを原則とするが、外国との儀礼上の贈答の場合など一定の場合には、国会の議決は要しない。

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ー特殊な贈与と遺贈ー

 

​負担贈与

受贈者が一定の義務を負担する贈与。両当事者の債務は対価関係にはなく、贈与に関する規定が適用されるが、その特殊性に鑑み、負担の限度において贈与者は売主と同様の担保責任(契約の解除等)を負うほか、双務契約に関する規定(同時履行の抗弁権、危険負担等)が準用される(民五五一②・五五三)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

現実贈与

贈与者が目的物を直ちに受贈者に渡してしまう贈与。例えば、AがBのもとに贈物を届けるとか、街頭の募金箱に小銭を入れる場合など。その法律上の性質については、物権契約と解する説と、現実贈与によって債権的効果が生じ即時に履行されると解する説とがあり、いずれによっても民法の贈与の規定(五四九~五五四)の適用があると解されている。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

定期贈与

定期的に一定の財産を与える契約。例えば、在学中毎年一定額の学資を与えるという契約。定期贈与には贈与すべき期間を確定する場合としない場合があるが、いずれの場合にも、特約がなければ贈与者又は受贈者の死亡によって効力を失う(民五五二)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

死因贈与

贈与者が死亡することによって効力を生ずる一種の停止条件付贈与。遺贈が単独行為であるのに対し、死因贈与は契約である。死後における財産の処分を目的とする点が遺贈と類似するので、民法の遺贈の効力に関する規定が準用される(五五四)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

遺贈

遺言により遺言者の財産の全部又は一部を無償で他に譲与すること(民九六四)。条件、期限、負担を付することができる。単独行為であり死後処分である。その種類としては、遺産の全部又は一部を一定の割合で示してする包括遺贈と、特定の財産についてする特定遺贈とがある。前者の場合の受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する(九九〇)。遺贈の自由は遺留分の制度によって制限を受ける(五編八章)。
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ー権利の譲渡ー

授権

一定の権利、権限、資格等を他人に授与譲渡)すること。例、「訴訟行為をするのに必要な授権」(民訴二八・三四等)等。法律上は、法律行為について他人に代理権を付与する場合に多く用いられる。代理権の付与には、法定代理の場合と任意代理の場合とがある。
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ー領土の一部の譲渡ー

​割譲

国家間の合意による領土の一部の譲渡。割譲地の住民は、別段の合意がなければ、譲渡国の国籍を失い、譲受国の国籍を取得する。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

ー供与ー

 

提供

他人の用に供すること、他人が利用できる状態に置くこと。飲食物の提供(公選一三九)、弁済の提供(民四九二)、施設又は役務の提供(郵便委託一二)など、用例は多い。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

供用

使用に供すること、一定の用途に充てること等の意味。例、「道路の供用を開始」(道一八②)。[有斐閣 法律用語辞典 第4版]


信用供与

  1. 一般的には、銀行等が行う貸付けと債務の保証をいい、手形の割引、引受け、裏書を含む。銀行等については同一人に対する信用の供与について限度が設けられている(銀行一三)。

  2. 金融商品取引業者が顧客から有価証券の売買注文を受ける場合に買付代金又は売付証券を貸し付けること。信用供与を伴う取引が信用取引である。信用取引においては金融商品取引業者は顧客から保証金の預託を受けなければならない(金商一六一の二)。[有斐閣 法律用語辞典 第4版]