公益事業
公益事業
労働関係調整法上は、運輸、郵便、信書便、電気通信、水道、電気、ガス、医療、公衆衛生の事業であって、公衆の日常生活に欠くことのできないもの及び内閣総理大臣が指定した事業をいう。これらについては、その公益的性格から、強制調停、緊急調整、調停に際しての優先的取扱い、争議行為の予告義務等の特別な規制がされている(八等)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
公益目的事業
公益目的事業とは,学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいいます(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律2条4号)。
公益事業
公益事業とは、次に掲げる事業であつて、公衆の日常生活に欠くことのできないものをいいます(労働関係調整法8条)。
一 運輸事業
二 郵便、信書便又は電気通信の事業
三 水道、電気又はガスの供給の事業
四 医療又は公衆衛生の事業
一 運輸事業
交通事業
交通事業とは、次に掲げる事業をいいます(株式会社海外交通・都市開発事業支援機構法2条1項)。
一 鉄道車両、自動車、船舶又は航空機を使用して旅客又は貨物を運送する事業及び当該事業を利用して貨物の運送を行う事業
二 鉄道施設、道路、港湾、空港その他の国土交通省令で定める交通に関する施設の運営又は維持管理を行う事業(前号に掲げるものを除く。)
道路運送事業
道路運送事業とは、旅客自動車運送事業、貨物自動車運送事業及び自動車道事業をいいます(道路運送法2条1項)。
自動車運送事業
自動車運送事業とは、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業をいいます(道路運送法2条2項)。
旅客自動車運送事業
旅客自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業であつて、次条に掲げるものをいいます(道路運送法2条3項)。
貨物自動車運送事業
貨物自動車運送事業とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいいます(道路運送法2条4項,貨物自動車運送事業法2条1項)。
自動車道事業
自動車道事業とは、一般自動車道を専ら自動車の交通の用に供する事業をいいます(道路運送法2条5項)。
一般貨物自動車運送事業
一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいいます(貨物自動車運送事業法2条2項)。
特定貨物自動車運送事業
特定貨物自動車運送事業とは、特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業をいいます(貨物自動車運送事業法2条3項)。
貨物軽自動車運送事業
貨物軽自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る。)を使用して貨物を運送する事業をいいます(貨物自動車運送事業法2条4項)。
港湾運送事業
港湾運送事業とは、営利を目的とするとしないとを問わず港湾運送を行う事業をいいます(港湾運送事業法2条2項)。
港湾運送関連事業
港湾運送関連事業とは、営利を目的とするとしないとを問わず、他人の需要に応じて次に掲げる行為を行なう事業をいいます(港湾運送事業法2条3項)。
一 港湾においてする、船舶に積み込まれた貨物の位置の固定若しくは積載場所の区画、船積貨物の荷造り若しくは荷直し又は船舶への貨物の積込み若しくは船舶からの貨物の取卸しに先行し若しくは後続する船倉の清掃
二 港湾においてする船積貨物の警備
航空運送事業
航空運送事業とは、他人の需要に応じ、航空機を使用して有償で旅客又は貨物を運送する事業をいいます(航空法2条18項)。
国際航空運送事業
国際航空運送事業とは、本邦内の地点と本邦外の地点との間又は本邦外の各地間において行う航空運送事業をいいます(航空法2条19項)。
国内定期航空運送事業
国内定期航空運送事業とは、本邦内の各地間に路線を定めて一定の日時により航行する航空機により行う航空運送事業をいいます(航空法2条20項)。
航空機使用事業
航空機使用事業とは、他人の需要に応じ、航空機を使用して有償で旅客又は貨物の運送以外の行為の請負を行う事業をいいます(航空法2条21項)。
国管理空港特定運営事業
国管理空港特定運営事業とは、国及び地方公共団体以外の者が行う国管理空港における第一号に掲げる事業及び当該事業と併せて実施される当該国管理空港に係る第二号から第五号までに掲げる事業をいいます(民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律2条5項)。
一 空港の運営等であって、着陸料その他の滑走路等の使用に係る料金を自らの収入として収受するもの
二 空港航空保安施設の運営等であって、航空法第五十四条第一項の使用料金を自らの収入として収受するもの
三 空港(公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和四十二年法律第百十号。以下「航空機騒音障害防止法」という。)第二条に規定する特定飛行場であるものに限る。以下この号において同じ。)の周辺における航空機の騒音その他の航空機の運航により生ずる障害を防止し、若しくはその損失を補償するため、又は空港の周辺における生活環境の改善に資するために行う次に掲げる事業
イ 緑地帯その他の緩衝地帯の造成及び管理
ロ 航空機騒音障害防止法第五条及び第八条の二に規定する工事に関する助成
ハ 航空機騒音障害防止法第六条に規定する共同利用施設の整備に関する助成
ニ 航空機騒音障害防止法第九条第一項の規定による同項に規定する建物等の移転又は除却により生ずる損失の補償及び同条第二項の規定による土地の買入れ並びに航空機騒音障害防止法第十条第一項の規定による損失の補償
四 前号に掲げるもののほか、空港の周辺における航空機の騒音その他の航空機の運航により生ずる障害を防止するため、又は空港の周辺における生活環境の改善に資するために行う事業
五 前各号の事業に附帯する事業
地方管理空港特定運営事業
地方管理空港特定運営事業とは、国及び地方公共団体以外の者が行う地方管理空港等における第一号に掲げる事業及び当該事業と併せて実施される当該地方管理空港等に係る第二号から第四号までに掲げる事業をいいます(民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律2条6項)。
一 空港の運営等であって、着陸料その他の滑走路等の使用に係る料金を自らの収入として収受するもの
二 空港航空保安施設の運営等であって、航空法第五十四条第一項の使用料金使用料金を自らの収入として収受するもの
三 空港の周辺における航空機の騒音その他の航空機の運航により生ずる障害を防止するため、又は空港の周辺における生活環境の改善に資するために行う事業
四 前三号の事業に附帯する事業
公共施設等運営事業
公共施設等運営事業とは、特定事業であって、第十六条の規定による設定を受けて、公共施設等の管理者等が所有権(公共施設等を構成する建築物その他の工作物の敷地の所有権を除く。)を有する公共施設等(利用料金(公共施設等の利用に係る料金をいう。以下同じ。)を徴収するものに限る。)について、運営等(運営及び維持管理並びにこれらに関する企画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。)を行い、利用料金を自らの収入として収受するものをいいます(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律2条6項)。
二 郵便、信書便又は電気通信の事業
通信・放送・郵便事業
通信・放送・郵便事業とは,電気通信事業,放送事業,郵便事業及び各事業が提供する役務の需要の開拓に寄与する事業その他の各事業と密接に関連する事業であって、各事業と事業上の損益の全部を共通にするものをいいます((株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法2条)。
郵政事業
郵政事業とは,法律の規定により、郵便局において行うものとされ、及び郵便局を活用して行うことができるものとされる事業をいいます(郵政民営化法1条)。
電気通信事業
電気通信事業とは,電気通信設備を他人の通信の用に供する役務を他人の需要に応ずるために提供する事業をいいます(株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法2条1号)。
電気通信事業
電気通信事業とは,電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第百十八条第一項に規定する放送局設備供給役務に係る事業を除く。)をいいます(電気通信事業法2条4号)。
放送事業
放送事業とは,公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信の役務を提供する事業をいいます(株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法2条2号)。
郵便事業
郵便事業とは,信書その他の郵便物の送達の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業をいいます(株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法2条3号)。
一般信書便事業
一般信書便事業とは、信書便の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業であって、その提供する信書便の役務のうちに一般信書便役務を含むものをいいます(民間事業者による信書の送達に関する法律2条5項)。
特定信書便事業
特定信書便事業とは、信書便の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業であって、その提供する信書便の役務が特定信書便役務のみであるものをいいます(民間事業者による信書の送達に関する法律2条8項)。
三 水道、電気又はガスの供給の事業
水道事業
水道事業とは、一般の需要に応じて、水道により水を供給する事業(給水人口が百人以下である水道によるものを除く。)をいいます(水道法3条2項)。
簡易水道事業
簡易水道事業とは、給水人口が五千人以下である水道により、水を供給する水道事業をいいます(水道法3条3項)。
水道用水供給事業
水道用水供給事業とは、水道により、水道事業者に対してその用水を供給する事業(水道事業者又は専用水道の設置者が他の水道事業者に分水する場合を除く。)をいいます(水道法3条4項)。
工業用水道事業
工業用水道事業とは、一般の需要に応じ工業用水道により工業用水を供給する事業をいいます(工業用水道事業法2条4項)。
水道原水水質保全事業
水道原水水質保全事業とは、次に掲げる事業をいいます(水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律2条3項)。
一 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第二号に規定する下水道の整備に関する事業
二 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第八条第一項に規定するし尿処理施設(市町村が同法第六条の二第一項の規定によりし尿及び雑排水(工場廃水、雨水その他の特殊な排水を除く。以下同じ。)の処理を行うために設置するものであって、し尿及び雑排水を管渠きよによって収集するものに限る。)の整備に関する事業
三 浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)第二条第一号に規定する浄化槽(次号において「浄化槽」という。)であって、し尿及び雑排水を集合して処理するものの整備に関する事業
四 浄化槽であって、し尿及び雑排水を各戸ごと(共同住宅にあっては、各共同住宅ごと)に処理するものの整備に関する事業
五 畜産農業の用に供する施設の整備に関する事業のうち、家畜のふん尿を堆肥その他の肥料とするための施設の整備に関する事業(地方公共団体が行うものに限る。)
六 水道法第三条第一項に規定する水道の用に供する土地に隣接する土地であって、水道原水の水質の保全のために重要なものの取得に関する事業(地方公共団体が行うものに限る。)
七 河川(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第一項に規定する河川(同法第百条の規定により同法の二級河川に関する規定が準用される河川を含む。)をいう。第四条第四項及び第七条第二項において同じ。)に関する事業(次に掲げるものを除く。)のうち、しゅんせつ事業、導水事業その他の水道原水の水質の保全に資するもの(以下「河川水道原水水質保全事業」という。)
イ 特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第二条第一項(沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第百七条第六項において読み替えて適用する場合を含む。)に規定する多目的ダムの建設工事に関する事業
ロ 独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第百八十二号)第十二条第一項第一号若しくは第二号(同号イに係る部分に限る。)又は附則第四条第一項に規定する業務に該当する事業
八 その他水道原水の水質の保全に資する事業であって、政令で定めるもの
浄化槽製造業者
浄化槽製造業者とは,第十三条第一項又は第二項の認定を受けて当該認定に係る型式の浄化槽を製造する事業を営む者をいいます(浄化槽法2条5号)。
浄化槽工事業
浄化槽工事業とは,浄化槽工事を行う事業をいいます(浄化槽法2条6号)。
浄化槽清掃業
浄化槽清掃業とは,浄化槽の清掃を行う事業をいいます(浄化槽法2条8号)。
ガス事業
ガス事業とは、ガス小売事業、一般ガス導管事業、特定ガス導管事業及びガス製造事業をいいます(ガス事業法2条11項)。
ガス小売事業
ガス小売事業とは、小売供給を行う事業(一般ガス導管事業、特定ガス導管事業及びガス製造事業に該当する部分を除く。)をいいます(ガス事業法2条2項)。
一般ガス導管事業
一般ガス導管事業とは、自らが維持し、及び運用する導管によりその供給区域において託送供給を行う事業(ガス製造事業に該当する部分及び経済産業省令で定める要件に該当する導管により供給するものを除く。)をいい、当該導管によりその供給区域における一般の需要(ガス小売事業者から小売供給を受けているものを除く。)に応ずるガスの供給を保障するための小売供給(以下「最終保障供給」という。)を行う事業(ガス製造事業に該当する部分を除く。)を含むものとされます(ガス事業法2条5項)。
特定ガス導管事業
特定ガス導管事業とは、自らが維持し、及び運用する導管により特定の供給地点において託送供給を行う事業(ガス製造事業に該当する部分及び経済産業省令で定める要件に該当する導管により供給するものを除く。)をいいます(ガス事業法2条7項)。
ガス製造事業
ガス製造事業とは、自らが維持し、及び運用する液化ガス貯蔵設備等を用いてガスを製造する事業であつて、その事業の用に供する液化ガス貯蔵設備が経済産業省令で定める要件に該当するものをいいます(ガス事業法2条9項)。
四 医療又は公衆衛生の事業
骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業
骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業とは、移植に用いる骨髄又は移植に用いる末梢血幹細胞の提供のあっせん(以下「骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん業務」という。)を行う事業をいいます(移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律2条5項)。
臍帯血供給事業
臍帯血供給事業とは、移植に用いる臍帯血の提供について、その採取、調製、保存、検査及び引渡し(情報管理その他これらの業務に付随し、又は関連する業務として厚生労働省令で定める業務を含む。以下「臍帯血供給業務」という。)を行う事業(移植に用いる臍帯血を採取される者の委託により当該移植に用いる臍帯血を当該者又はその親族が用いるために臍帯血供給業務を行うものを除く。)をいいます(移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律2条6項)。