​効力

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効力

広義には、法が法としての妥当性を備え、かつ、それを実現し得る実効性を備えていることの意味に用いられることもあるが、通常は、法の実効性すなわち法がその効力を及ぼし得る範囲を意味することが多い。①時に関する効力(いわゆる施行期間)、②人に関する効力(属人主義か属地主義か)及び③場所に関する効力(公海上の船舶の取扱いなど)の三要素に分けて説明される。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

時効

ある事実上の状態が一定期間継続した場合に、真実の権利関係にかかわらず、その継続してきた事実関係を尊重して、これに法律効果を与え、権利の取得又は消滅の効果を生じさせる制度。私法上だけでなく、公法上も認められる。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

取得時効

ある者が他人の物を一定期間継続して占有しているという事実がある場合に、その者にその物の所有権を与え、また、所有権以外の財産権を一定期間継続して行使している事実がある場合に、その者にその権利を与える制度(民一六二~一六五)。所有権の取得時効の要件は、①所有の意思でする占有(自主占有)であること、②その占有が平穏・公然に行われること、③その占有が一定期間(占有者が占有の初め善意・無過失のときは一〇年、そうでないときは二〇年)継続することである。所有権以外の財産権の取得時効の要件は、①の代わりに、自己のためにする意思で財産権を行使することを必要とするほかは、前記と同じである。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

​消滅時効

権利を行使しない状態が一定期間継続することにより、その権利を消滅させる制度。所有権以外の財産権は全て消滅時効にかかる。債権は、民事は一〇年、商事は五年、それ以外の財産権は二〇年の不行使によって消滅するのが原則であるが(民一六七、商五二二)、その期間(時効期間)には、権利の性質によって多くの特則がある(民一六九等、会社七〇一等)。期間の起算点は、権利を行使できる時である。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

時効の中断

時効の達成に必要な期間の進行が、一定の事実の発生によって中断し、既に進行した期間が無に帰すこと。時効が中断されると振出しに戻り、中断事由の終了後に改めて時効期間が進行する。時効の中断事由としては、請求、差押え、承認等がある(民一四七以下)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

時効の更新

*「時効の中断」という用語に対しては,時効期間 の進行が一時的に停止することを意味するという誤解を招きやすいという指摘がある ことから,ここでは,新しく改まるという意味で,「時効期間の更新」という用語を充てている(法務省民事局参事官室「民法(債権関係)の改正に関する中間試案の補足説明法務省,2013年)79頁)

 

擬制

一定の法律的取扱いにおいて、本質の異なるものを同一のものとみなして同一の効果を与えること。失踪宣告を受けた者を死亡したものとみなし(民三一)、窃盗罪について電気を財物とみなす(刑二四五)などがその例。立法技術上、法文の簡略化を目的として行われる例が多いが、講学上の用語として用いられることもある(例えば、法人擬制説)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

コラムー判決の効力ー

判決の効力

民事訴訟法上は、主に、判決の確定とともに生ずる形式的確定力及び実質的確定力(既判力)であり、ほかに、給付判決では執行力、形成判決では形成力を含む。刑事訴訟法では、主に、判決の確定とともに生ずる形式的確定力と内容的確定力であり、後者は実体判決について生ずると実体的確定力といわれ、特に刑の言渡しの判決では執行力(執行権)となる。一事不再理の効力は既判力と呼ばれ、通説は実体的確定力の一部とする。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

確定力

一般には、国家の行為が法的手段をもって争い得なくなったこと、ないしそのような法的状態をいう。

  1. 行政法上は、行政行為につき、争訟期間の経過等によってこれを争い得なくなる効力(形式的確定力)や、取消し、変更ができなくなる効力(実質的確定力)をいう。

  2. 訴訟法上は、裁判が通常の不服申立ての方法では取り消したり、変更したりできない状態になること(形式的確定力)や、裁判の内容に従った効力が生じること(実体的確定力)をいう。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

形式的確定力

上訴期間の徒過などにより,通常の不服申立手段(異議の申立てを含み,再審・特別上訴は別)をもっては,裁判がその訴訟手続の中でもはや手続的・形式的に取り消される可能性のなくなったことを,裁判の確定あるいは形式的な確定力の発生という。形式的確定力を生じた判決の内容について実体的に生ずる*既判力'を*実体的確定力'という。
[有斐閣 法律学小辞典 第5版]

 

実体的確定力

  1. 民事訴訟法上は,判決における判断内容が確定的なものとみなされるという性質をいい,一般に既判力と呼ばれる。

  2. 伝統的な刑事訴訟法学では,実体裁判・免訴裁判が確定したときに,その裁判の意思表示的内容が確定的なものとみなされる効力をいった。最近の学説では,裁判の内容的確定力の一種として説明される。

[有斐閣 法律学小辞典 第5版]

既判力

  1. 民事訴訟法上、裁判が確定した効果として、同一当事者間で同一事項が後日別の訴訟で問題となったとしても、当事者は確定した裁判で示された判断に反する主張をすることができず、裁判所もこれと抵触する裁判をすることができないという拘束力のこと(一一四)。実体的確定力ともいう。

  2. 刑事訴訟法上、訴訟の実体である刑罰関係が裁判上確定すること。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

執行力

  1. 行政法上は、行政行為の内容を自力で実現する効力をいう。

  2. 民事執行法上は、一般に、給付義務を実現させるために強制執行を行い得る効力をいい、債務名義がこれを有する。なお、広義では、裁判内容に適した状態を実現し得る効力をいう。

  3. 刑事訴訟法上は、執行を要する有罪判決について、その執行を行い得る効力をいう。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

​形成力

法律関係の変動を生じさせる*形成判決'の効力。形成力は,形成判決が確定したときに生じる。*既判力'や*執行力'と違い,一般に,形成力には訴訟当事者以外の者に及ぶ対世的効力が内在し,こうした第三者も形成の効果を争えなくなるとされるが,対世的効力は,法に明文の規定があるときにその効果として生じるものであり,形成力に内在するものではないとの考えもある。
[有斐閣 法律学小辞典 第5版]