​物

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広義には、権利の客体となり得る外界の一部をいい、有体物無体物がある。民法上の物は、有体物に限られる(八五)。有体物とは、空間の一部を占めて有形的存在を有するものであり、電気、熱、光等のエネルギーを含まない。人の生きた身体は物ではない。また、人が支配することのできない天体、空気、大洋等は物ではない。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

​物件

一般的には、「物」とほとんど同義。例外もあるが、「土地に定着する物件」(土地改良九①)、「土地…にある物件」(収用三五①)のように、土地を含まない例が多い。また、行政機関の職員の行う検査の対象物として「帳簿書類その他の物件」(所税二三四①等)というように規定されていることが多い。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

物品

一般的には、有体物たる動産を指す。有価証券、金銭については、これらを含めて用いられている場合と含まない場合とがある。

金品

金銭と物品の意。物品は、一般には有体物たる動産を指し、不動産を含まないが、金品の語については、金銭、動産のほかに不動産を含ませた用例がある(昭二五法二による改正前の当せん金附(つき)証票法一三)。

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古物

一般には、一度使用された物品のこと。古物営業法では、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手等を含み、大型機械類を除く)だけではなく、使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものも含まれる(二①)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

物資

商品、資材等のことであるが、国民生活や経済活動において有用なものという意味を込めて用いられる。例、「物資の価格及び需給の調整」(生活安定一)、「物資の品質に関する表示」(消費者庁及び消費者委員会設置法)等。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​象徴

ある抽象的、無形的なものを表す具体的、有形的なもの。国旗が国家の、ペンが学問の、鳩が平和の象徴とされるのがその例。
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​コラムー物の分類ー

 

①形の有無による分類ー
 

有体物

空間の一部を占める有形的存在をいう。民法では、物は有体物に限られる(八五)。液体及び気体は有体物であるが、電気、熱、光等のエネルギーは有体物とはされない。なお、電気は、窃盗及び強盗の罪においては財物とみなされている(刑二四五)。

無体物

有体物以外のもの。電気、熱、光等のエネルギーは無体物であり、民法上は物として扱われないが、電気については、刑法で財物とみなして窃盗罪の客体としている(二四五)。
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上記のように、民法上、「物」は有体物に限られるが、法令によっては「物」に無体物を含める場合がある(「物には、プログラムを含むものとする。」(不正競争防止法2条10号,医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律2条18項参照)。

逆に、無体物の例として挙げられる「エネルギー」について、法令上、「エネルギー」に有体物である「燃料」を含める場合がある(『「エネルギー」とは、燃料並びに熱・・及び電気・・をいう』エネルギーの使用の合理化等に関する法律2条1項・2項)。

②独立性による分類

単体物

その構成部分が独立の個性を失い、形態上独立して一体をなす物。法律上一個の物として扱われ、その一部分には独立の権利は成立しない。合成物集合物に対する語。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

合成物

宝石入りの指輪は、宝石部分とリング部分が結合して一個の物となっているが、このように、それぞれの構成部分が個性を保ちながらも、結合して単一の形態になっているものを合成物という。法律上、一個の物として取り扱われる。

集合物

​本来は個々別々の物が、一定の目的の下に集合し、取引において一体的に独立の物として取り扱われる場合におけるこれらの物の総体のこと。倉庫内の同種商品、家畜群、工場とその中の機械等がその例。本来、法律上一個の物として取り扱われないが、取引上の必要から、特別法でこれを一個の財団として扱う財団抵当の制度や、債権等の財産をも含め企業財産を一体として担保化する企業担保制度が認められている。

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従物

独立して物権の客体となる資格を失うことなく、ある物(主物)の経済的効用を果たすため、継続的に役立つものであって、そのある物に附属させられた物(民八七)。家屋に対する畳や建具がその例。主物・従物ともに同一の所有者に属する場合の概念。従物は、独立の物でなければならず、主物の構成部分(例、家屋の戸)である場合には、従物としての地位は成立しない。主物について抵当権を設定すればその効力が従物に及ぶ等、従物は主物の処分に従うのがその法律的効果である。
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主物

従物が附属させられている物(民八七)。従物に対する。畳、建具に対する家屋がその例。
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②分割の可否による分類

​可分物

その性質を著しく変えることなく、又はその価値を著しく低下させることなく分割できる物。例えば、金銭、穀物。不可分物(例、一台の自動車)に対する。可分物か不可分物かの区別は、共有の場合や、一つの物に対して複数の債権者又は債務者がある場合に意味をもつ。

有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

​不可分物

可分物に対する概念で、その性質又は価値を著しく低下させることなしには分割できない物。例えば、一頭の馬や一台の自動車などがこれに当たる。可分物・不可分物の区別は、共有関係や多数当事者の債権関係の場合のように一個の物に対して複数の者が権利・義務を有する場合に意味をもつ。
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③取引の客体の可否による分類
 

融通物

私法上の取引の客体となり得る物。私法上の取引の客体となり得ない物である不融通物に対する言葉。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

不融通物

権利の客体とはなり得るが、通常、取引の客体とはなり得ない物。その主要なものは、公用物(官庁の建物など)、公共用物(道路、河川など)、法令で取引を禁止された禁制物(あへん煙、わいせつ文書など)である。これに対して、私法上取引の客体にできる物を融通物という。
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④物の個性(客観的)による分類

 

代替物

取引上、物そのものの個性を問題にせず、同種、同等、同量の他の物で代替させることができる物。代替物かどうかは、取引当事者の意思によらず、物の客観的性質によって決まる。
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​不代替物

取引において、物そのものの個性が重視され、他の物による代替ができないもの。同種、同量、同等の物による代替が可能な代替物に対する語。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

⑤物の個性(主観的)による分類

 

特定物

取引の目的物として当事者が物の個性に着目した物をいう。例えば、自動車ならどれでもというのではなく、こ、の、自動車を買うという場合。不特定物に対する語。当事者の主観に基づく点で「不代替物」とは異なる。区別の実益は、主に債権の効力に関する。
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​不特定物

具体的な取引にあたって、当事者が単に種類、数量、品質等に着目しその個性を問わずに取引した物。特定物に対する。代替物、不代替物の区別と似ているが、客観的な区別ではなく当事者の主観的な区別である点が異なる。特定物については、債務者の善管注意義務や危険負担における債権者主義などが民法上規定されている(四〇〇・五三四①)が、不特定物にはない。

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