​能力・資格

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能力

  1. 通常、法令で用いられる場合には、ある事柄に関し、法律上必要とされる一般的な資格を意味する。例えば、権利の主体となることができる一般的資格を権利能力、有効に法律行為を行うことができる一般的資格を行為能力、民事訴訟において当事者となることのできる一般的資格を当事者能力という(民訴二八)。

  2. 物事を成し遂げることのできる力といった普通の意味でも法令上用いられることがある(憲二六等)。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

コラムー法律上必要とされる一般的な資格の意味での能力

 

①民法上の能力

権利能力

​私法上の権利義務の帰属主体となることができる資格。自然人及び法人は権利能力を有する。近代法は、身分、年齢等による差別を設けず、全ての自然人に対し、出生と同時にこれを認める(民三①)。ただし、外国人については、法令又は条約によって特定の権利の享有を制限することも認められている(三②)。法人は、法律が自然人以外に権利主体となることを認めたものであり、その法律の認める範囲内では当然に権利能力をもつ。
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人格

法令上は、「権利能力のない社団」のことを「人格のない社団」というように、「権利能力」と同じ意味で用いられている(例、所税二①)。
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行為能力

法律行為を単独で行うことができる法律上の資格。私法上全ての人は権利能力をもつが、未成年者、成年被後見人、被保佐人及び家庭裁判所から特定の法律行為を行うには補助人の同意を要する旨の審判を受けた被補助人は行為能力を制限される。このような制限行為能力者の行った財産法上の行為は、法定代理人等において取り消すことができるものとされている(民五・九・一三・一七・一二〇・一二一等)。
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②訴訟上の能力

当事者能力

  1. 民事訴訟法上、一般的に訴訟当事者となり得る能力民法上の権利能力と照応しており、自然人及び法人には当事者能力がある(二八)が、権利能力なき社団又は財団にも当事者能力が認められる(二九)。当事者能力があることは、訴訟要件の一つ。

  2. 刑事訴訟法上、被告人となり得る能力。自然人及び法人にはこの能力がある。他の社団等も、犯罪能力、受刑能力が認められている場合には当事者能力がある。なお、刑法上の「責任能力」とは異なる。当事者能力の消滅(被告人の死亡又は被告人たる法人が存続しなくなったこと)は、決定で公訴を棄却する理由となる(三三九①)。

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訴訟能力

自ら有効に訴訟行為をし又は相手方の訴訟行為に応じるために必要な能力。

  1. 民事訴訟法上は、原則として民法上の行為能力の有無による(民訴二八)。訴訟無能力者の訴訟行為又はこれに対する訴訟行為は無効であるが、追認によって遡及的に有効となる(三四②)。訴訟無能力者の訴訟追行に基づく判決は、上告、再審によって取り消される。

  2. 刑事訴訟法上は、意思能力の有無と同一に理解されている。

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​弁論能力

訴訟法上、裁判所に対する訴訟行為(特に弁論)をするため必要な資格で、演述能力ともいう。訴訟能力とは異なる概念。弁護士強制主義の下では、弁論能力があるのは弁護士に限られる。なお、刑事訴訟法上、控訴審及び上告審では、被告人のためにする弁論は弁護人だけに許されており、弁論能力の制限の一例とされる(三八八・四一四)。
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コラムー意思能力

意思能力

法律関係を発生させる意思を形成し、それを行為の形で外部に発表して結果を判断、予測できる知的能力。その有無は画一的、形式的にではなく、個々の法律行為について具体的に判断される。一般には、幼児、重度の知的障害者、泥酔者などは意思能力がないとされている。意思能力のない者のした法律行為は無効であり、不法行為責任も生じない。

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意思無能力

法律関係を発生させる意思を形成し、それを行為の形で外部に発表して結果を判断、予測できる知的能力(意思能力)を有するに至らない精神状態。
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意思無能力者

意思能力を欠く者。近代法は私的自治の原則を採るので、意思無能力者のした法律行為は無効であり、法定代理人が代わってこれを行うことになる。また、意思無能力者の不法行為は損害賠償責任を生ぜず、監督義務者が責任を負う(民七一二~七一四)。
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コラムー事理弁識能力

事理弁識能力

事理弁識能力とは,法律行為の結果による利害得失を認識して経済合理性に則った意思決定をするに足る能力をいいます(民法7条「事理を弁識する能力」,法務省民事局参事官室「民法(債権関係)の改正に関する中間試案の補足説明」(法務省,2013年)9頁参照))。

成年被後見人

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者であって、法定の手続に従い家庭裁判所から後見開始の審判を受けた者(民七)。成年後見人が付され、成年被後見人の行った法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き、成年後見人の同意の有無にかかわらず常に取り消すことができる(八・九)。ただし、婚姻、縁組、認知、遺言等の身分行為は、意思能力がある限り単独ですることができる(七三八・七九九・七八〇等)。平成一一年の民法改正により、従前の禁治産者が改められたもの。
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被保佐人

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者であって、法定の手続に従い家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた者(民一二)。保護機関として保佐人が付される。成年被後見人に比して行為能力の制限が少なく、一定の重要な財産上の行為を行う場合に保佐人の同意を要し、同意がなければそれを取り消すことができる(一三)。また、家庭裁判所の審判により、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与することができる(八七六の四)。平成一一年の民法改正により、従前の準禁治産者が改められたもの。
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被補助人

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者であって、法定の手続に従い家庭裁判所から補助開始の審判を受けた者(民一六)。保護機関として補助人が付される。被保佐人に比して行為能力の制限が少なく、家庭裁判所の審判により、特定の法律行為について補助人に、被補助人に対する同意権又は代理権が付与される(一七・八七六の九)。
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​無能力者(制限行為能力者)

単独で完全な法律上の行為をすることができない者。

  1. 民法上は、法律行為をすることができない者をいい、未成年者成年被後見人被保佐人及び被補助人(特定の法律行為をするには補助人の同意を要する旨の審判を受けた者に限る)がこれに当たる。平成一一年及び一六年の改正により、「無能力者」という用語は「制限行為能力者」という用語に改められた(二〇・二一等)。

  2. 訴訟法上は、訴訟行為を行う能力がない者をいう。民事訴訟法上の行為能力は、民法上の行為能力に準拠している(二八・三一・三二)。刑事訴訟法上は、意思能力がない者をいう(二八)。

  3. 違法行為による民事又は刑事の責任を負う能力がない者の意に用いることもある。

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コラムー責任能力​ー

​責任能力

  1. 民法上は、不法行為責任を負わせるに当たって法律上要求される能力。具体的には、自己の行為が不法な行為であって法律上の責任が生ずることを理解し得る能力(民七一二~七一四)。不法行為責任を負うために法律上要求される能力という意味では不法行為能力と同義であるが、後者は主として法人について用いられるのに対し、責任能力は自然人について用いられる。

  2. 刑法上は、刑事責任を負担し得る能力。刑法は、責任能力の内容を積極的には規定せず、それが排除ないし制限される場合について規定を置いている(三九・四一)。

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弁識能力

刑法上、責任能力とは、事物の理非善悪を弁別し、その弁別に従って行動する能力であるとされるが、このうち、理非善悪の弁別能力を「弁識能力」という。これに対し、弁別に従って行動する能力を「制御能力」という。
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適格

官職その他の法令上の地位に就くについて必要な資格にあてはまること。反対は、「欠格」等。例、「官職に必要な適格性を欠く」(国公七八)、「原告適格」(行訴九)等。

税法上、合併、分割等の組織再編成の場合に課税の優遇措置を受けることができる要件を満たすこと(「適格合併」、「適格分割」等)。組織再編成により資産等の移転があった場合、原則としてその資産の移転について課税されることになるが、一定の要件(適格要件)を満たすときは、損益計上の繰延べが認められる(法税二・六二の二等)。

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欠格

人が特定の地位に就くため又は特定の業務を営むために法律上一定の資格を要するとされている場合に、その資格要件を欠いていること。欠格となるべき事由を欠格事由といい、欠格事由を定めた規定を欠格条項という。

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コラムー物事を成し遂げることのできる力という普通の意味で法令上用いられた例

言語力

言語力とは,読む力及び書く力を基礎とする言語に関する能力をいいます(文字・活字文化振興法3条2項参照)。

職業能力

職業能力とは、職業に必要な労働者の能力をいいます(職業能力開発促進法2条2項)。

インターネットを適切に活用する能力

インターネットを適切に活用する能力とは,主体的に情報通信機器を使い、インターネットにおいて流通する情報を適切に取捨選択して利用するとともに、適切にインターネットによる情報発信を行う能力をいいます(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律3条)。

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