作成・作製・生産・製造
作成
一定の案、計画又は書類等を作ることを指す一般的な用語。なお、「法令における漢字使用等について」によれば、「作製」は製作(物品を作ること)という意味についてのみ用い、それ以外の場合は「作成」を用いることとされている。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
作製
「作成」と同義であるが、即物的な意味で帳簿や書類を現実に作り上げるというニュアンスを出す場合には「作製」の語を用い、その内容に着目して作り上げる場合には「作成」の語を用いて、両者を使い分ける例もある(財一七・二一等)。なお、「法令における漢字使用等について」によれば、「作製」は製作(物品を作ること)という意味についてのみ用い、それ以外の場合は「作成」を用いることとされている。
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生産
広く人力を加えて財産的価値のあるものを産み出すこと。「製造」よりは広い概念で、農林畜産物、水産物、鉱産物等の一次産品を作り出すこともこれに含まれる。
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製造
原材料に手を加えて新たな物品を作り出すこと。「生産」よりは狭い概念で、いわゆる第二次産業に係る生産行為を指し、一次産品の産出、サービスの提供には用いられない。
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加工
「生産」又は「製造」に対し、一般に動産を材料としてこれに工作を加え、その本質は保持させつつ新しい属性を付加し、価値を加えることを意味することがある。
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創作
初めて作ることであるが、知的所有権として保護される発明、実用新案、意匠、著作物にはこの創作性が要求される(特許二①、新案二①、意匠三①、著作二①)。
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ー添付(付合、混和及び加工)ー
添付
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民法上は、付合、混和及び加工の総称。所有者の異なる二個以上の物が結合して分割できなくなった場合(付合、混和)又は他人の物に工作を加えて新たな物を生じた場合(加工)、所有権の得喪が生じる(二四二~二四八)。
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国際法上は、領海内での新島の出現などの土地の自然の拡張によって領土を取得すること。
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付合
所有権を異にする二つ以上の物が結合して、これを分離することが社会経済上不利益な状態にあること。原則として、不動産の所有者は、従としてこれに付合した物の所有権を取得し、動産が相互に付合した場合には、主たる動産の所有者が合成物の所有権を取得する。付合により所有権を失った者は、所有権を取得した者に対して償金を請求できる(民二四二・二四三等)。
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混和
穀物が混合する場合のように、物が混ざり合って原物を識別することができない状態になること。所有者を異にする物が混和した場合、主たる物の所有者が所有権を取得するが、主従を区別することができないときは、混和の当時における価格の割合に応じて共有となる(民二四五)。
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加工
民法上、他人の動産に工作を加えて新たな物(加工物)を作り出すこと。加工物の所有権は、原則として材料の所有者に属するが、工作によって生じた価格が著しく材料の価格を超えるときなどは、特約等がなければ加工者に属するとされる(二四六)。損失を受けた者は不当利得の求償ができる(二四八)。
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ー素材ー
材料
ある物を作り出すために用いられる素材。「資材」、「原料」等とおおむね同様な意味に用いられる(労基六二②等)が、特に「原料」とともに用いられるときは、生産の工程を経ても本質の変容を伴わず、ただ新しい属性が付加されるという場合、換言すれば、物の加工が行われる場合に、その加工の対象となる物を指示する語として用いられる(薬七〇①等)。
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原料
生産、製造の素材となる物。材料とほぼ同義。なお、一般的にいえば、「材料」は生産、製造においてその性質が変更しない場合に用いられ、「原料」は生産、製造によってその性質が変更する場合に用いられる。
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ー不当な作成・変更ー
改竄
字句などを不当に変えること。既存の完成している真正文書を権限のない者が改竄することは、偽造又は変造に当たる。
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偽造
権限なしに、通貨、他人名義の文書、有価証券、印章等を作成すること。一般人が真正なものと誤信する程度の外観を作り出すことが必要である。広義では、自己名義の内容虚偽の文書等を作成すること(無形偽造)を含む。なお、証拠隠滅罪(刑一〇四)における「偽造」は、内容虚偽の証拠を作成することであって、作成権限の有無を問わない。
変造
真正に作成された通貨、文書、有価証券等の非本質的な部分に権限なく変更を加えること。偽造に対する。偽造と変造との限界は必ずしも明白ではないが、新しい通貨、文書、有価証券等を作り出した(偽造となる)かどうかによる。
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模造
偽造の程度に至らないが、原物と紛らわしい外観を有する物を作ること。通貨及証券模造取締法(明二八法二八)、印紙等模造取締法(昭二二法一八九)等により処罰の対象となるものがある。
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模倣する
模倣するとは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいいます(不正競争防止法2条5項)。
仮装
通常、存在しないことを存在するように見せかけること。民法上、相手方と通謀して行う虚偽の意思表示は無効とされるが、善意の第三者には対抗することができない(九四)。金融商品取引法では、上場有価証券の仮装売買を禁止しており(一五九・一九七)、国税通則法では、課税標準等に係る事実を仮装した者に重加算税を課し(六八)、刑法では、強制執行を免れるため仮装譲渡、仮装債務負担を行う者を処罰することとしている(九六の二)。
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