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​制裁・懲戒

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制裁

法令、規則その他の定めに違反する行為をした者等に対して、不利益や苦痛を与えること。通常使われる狭義の制裁の例としては、犯罪者に対する刑罰、服務規律違反等のあった公務員に対する懲戒処分、契約違反に対する違約金などが挙げられる。なお、実定法上制裁の語が用いられている例としては、就業規則に制裁の定めをする場合の規定(労基八九・九一)や一定の方法以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない当事者等に対し法律上の制裁を帰することができないという規定(民訴九四②)などがある。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

懲戒

一般に、懲らしめ、戒めること。法律に規定されている例としては、教育上の必要に基づいて認められているもの(学教一一、民八二二)のほか、特定の身分や資格を有する者が関係法令に違反する行為や信用を失墜する行為を行った場合に、これに対する制裁として、任命権者、監督機関等によって科されることとなっているもの(国公八二、地公二九、弁護五七、会計士二九)などがある。例えば、国家公務員法及び地方公務員法では、職員に対する懲戒処分として、免職、停職、減給及び戒告を規定している。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

ー処罰ー​​

処罰

刑罰又は行政罰に処すること。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

刑(刑罰・刑事罰)

犯罪を行った者に科せられる制裁刑罰ともいう。死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料と、付加刑としての没収がある(刑九)。これ以外の過料、懲戒罰などは、相手方に不利益を与える処分ではあるが、刑とは異なる。刑の本質をめぐっては、犯罪に対する応報であるとする説、一般人に対する威嚇手段であるとする説、犯人の教育改善のための手段であるとする説がある。刑は、法律で定めるのが原則であって、法律の委任がなければ命令で規定することはできない。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

行政罰

一般に、行政法上の義務に違反する行為に対して、一般統治権に基づき、制裁として科せられる罰をいう講学上の用語である。刑事罰懲戒罰執行罰との区別については種々の見解がある。罪刑法定主義の原則は行政罰についても妥当し、行政罰を科するには法律の根拠が必要である。刑法に定める刑罰を科する行政刑罰と、過料を科する秩序罰とに大別される。

秩序罰

民事上、訴訟上又は行政上の秩序維持のため、法令上の義務違反者に対する制裁として科される過料の総称。非訟事件手続法(平二三法五一)又は地方公共団体の条例、規則の定めるところにより科されるもので、刑罰とは区別され、刑法総則、刑事訴訟法規の規定は適用されない。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​懲戒罰

特別権力関係その他公法上の特別の監督関係の紀律を維持するために、その関係に属する者に対して科する制裁。刑罰とその目的を異にするから、両者を併科するのを妨げず、別個に手続を行うことができる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​執行罰

行政上の強制執行の方法の一つで、不作為義務又は非代替的作為義務の履行を強制するために科す金銭罰。強制罰ともいう。行政執行法(昭二三廃止)では一般的に認められていたが、現行法でこれを認めているのは、砂防法(三六)だけである。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

ー不利益の内容による刑の分類ー​​

​生命刑

生命を奪う刑、すなわち死刑のこと。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

​身体刑

身体に対し損傷又は苦痛を与える刑罰。体刑ともいう。手足の切断刑、笞(むち)打ちの刑、入れ墨の刑など。現行刑法はこのような刑罰を認めておらず、また、憲法三六条の残虐な刑罰の禁止の趣旨に反することとなるものと考えられる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

​自由刑

身体の自由の剝奪を内容とする刑罰。現行刑法では懲役禁錮及び拘留がこれに当たる。近代刑罰の中心たる役割を占める。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

​財産刑

財産の剝奪を内容とする刑罰。現行法上、罰金科料がこれに当たる。なお、付加刑である没収もこれに含められることがある。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​ー自由刑の分類ー

定期刑

裁判所が刑期を定めて言い渡す自由刑。刑期を確定しないで言い渡すものを不定期刑といい、我が国では、少年についてのみ、長期と短期を定める相対的不定期刑が採用されている(少五二)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

不定期刑

刑期を確定しないで言い渡される自由刑。刑期を全く定めない絶対的不定期刑と、長期若しくは短期又はその両方を定める相対的不定期刑とがある。我が国では、少年に対して、長期と短期を定めて言い渡す相対的不定期刑が採用されている(少五二①)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

​ー主刑・付加刑ー

主刑

死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料をいう(刑九)。これに対し、没収は刑罰であるが主刑に付加してだけ科することができるので付加刑と称される。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

付加刑

主刑を言い渡す場合に、これに付加してのみ科すことができる刑罰。刑法九条は、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収のみを付加刑としている。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

ー現行刑法に定める刑の種類ー

​死刑

人の生命を奪う刑罰。刑法に定める刑罰の一つ。刑事施設内で絞首して執行する(九・一一)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

懲役

自由刑の一種。刑法に定める刑の一種で、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせるもの。無期と有期とがあり、有期懲役は、一月以上二〇年以下である。ただし、刑を加重する場合は三〇年に至ることができ、刑を減軽する場合は一月未満に降ろすことができる(刑一二・一四・六八)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​禁錮

刑法の規定する自由刑の一つ。懲役と異なり、刑務所に拘置するだけで、定役(所定の作業)を科さない。無期と有期(一月以上二〇年以下)とがある(一三)。内乱に関する罪、名誉毀損罪、業務上の過失による罪など非破廉恥犯的動機による犯罪に科せられるのが原則となっている(刑七七等)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​罰金

一定の金額の納付を命ずる刑で、財産刑の一つ。刑法においてその額は一万円以上とされている(一五)。罰金を完納できない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留置される(一八)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

拘留
自由刑の一種で、一日以上三〇日未満の期間、刑事施設に拘置するもの(刑一六)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​科料

刑罰の一種。財産刑のうち、罰金より少額のもので、刑法により、千円以上一万円未満とされている(九・一七)。科料を完納できない者は、一日以上三〇日以下の期間、労役場に留置される(一八②)
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

没収
物の所有権を剝奪して国庫に帰属させる処分を内容とする財産刑。主刑に付加して科される付加刑。没収できる物は、犯罪行為を組成した物、犯罪行為の用に供した物等である(刑一九)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

法定刑・処断刑宣告刑ー​​

法定刑

処断刑及び宣告刑に対するもので、個々の刑罰法規に定められている刑をいう。個々の犯罪に対する刑罰の種類及び程度を厳格に示し、裁判官に裁量の余地を残さない絶対的法定刑主義に対し、刑法は、刑罰の種類、分量について相対的に規定し、一定の範囲内で裁判官に宣告すべき刑を委ねる相対的法定刑主義によっている。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

処断刑

特定の被告人に対し特定の事件について刑の言渡しをする場合に、その量刑の基準となる刑の範囲。法定刑に法律上及び裁判上の加重、減軽を加えたもの。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

宣告刑
裁判で現実に言い渡される刑の量をいう。認定された事実に対応する法定刑を基礎に、法律上の加重減軽を施して処断刑が定められ、その範囲内で刑が宣告される。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

刑罰に代替し、又は刑罰を補充するものー​​

保安処分​

犯罪者の将来の危険性に対する社会防衛のために、その犯罪者を一定の施設に収容し、又は収容しないで矯正、教育、治療、改善等を行う処分で、刑罰に代替し、又は刑罰を補充するもの。現行法上は認められていないが、改正刑法草案は、精神障害者に対する治療処分と麻薬・アルコール中毒者に対する禁絶処分を保安処分としていた。なお、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」が定める入・通院等の処遇は、対象者に対し、継続的かつ適切な治療を行い、またその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、本人の社会復帰を促進することを目的とし、刑事手続とは別個の手続により、刑事処分とは異なる処遇として行われるものであり、またその入・通院先も厚生労働大臣が所管する病院とされており、保安処分とは異なる。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

残虐な刑罰

残虐な刑罰とは,火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの刑その他刑罰の執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものをいいます(最大判昭和23年3月12日刑集第2巻3号191頁)同判例において,死刑そのものは,残虐な刑罰にはあたらないとされました。

ー懲罰ー​​

懲罰

  1. 国会の各議院又は地方公共団体の議会が、議会の秩序維持のため、その自律権に基づいて所属議員に科する制裁。戒告、陳謝、登院停止(地方公共団体の議会では出席停止)、除名の四種類がある(国会一二一~一二四、自治一三四~一三七)。

  2. 刑事施設の長が、遵守事項を遵守しない等の反則行為を行った受刑者に対して科する制裁(刑事収容一五〇~一五六)

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戒告

  1. 公務員等の職務上の義務違反に対する懲戒処分の一つで、本人の将来を戒める旨の申渡しをする処分(国会一二二、国公八二、自治一三五、地公二九)。

  2. 行政上の義務の履行がされなければ代執行をすべき旨の通知行為。行政代執行法によると、代執行をするには、あらかじめ文書で戒告しなければならない(三)。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
 

​除名

合議体、団体等の組織体において、特定の構成員につき構成員としての資格をその者の意思に反して奪うこと。組合、社団において、ある者を構成員としておくことが甚だしく不適当な場合に認められるほか、国会議員等に対する最も重い懲罰としても認められている(民六七九、一般法人二九・三〇、会社六〇七、憲五八等)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]


 

ー私的制裁ー​​

違約罰
債務不履行の場合に、債務者から債権者に一定の金銭その他の物を給付する約束、あるいはその約束の対象となったもの。損害賠償と異なり、損害の額にかかわらず、あらかじめ約束されたものを請求でき、一種の私的制裁の性格を有する。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

刑の免除

有罪ではあるが刑を免除すること。判決で言い渡す(刑訴三三四)。刑の執行の免除と異なり、刑の宣告を受けたことにはならないから、後に罪を犯しても累犯とはならない。必要的免除事由と任意的免除事由とがあるが、「親族間の犯罪に関する特例」(刑二四四①)は前者の、放火予備(一一三)は後者の例である。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

恩赦

公訴権を消滅させ、又は刑罰権の全部若しくは一部を消滅させる行政権の作用。内閣が決定し、天皇が認証する。大赦特赦減刑刑の執行の免除復権の五種類がある。政令で罪を定めて行う一般恩赦と、特定の者を対象とする個別恩赦とがあるが、後者は、中央更生保護審査会の申出があった者に対して行われる(憲七・七三、恩赦、更生八九)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​」

ー恩赦の種類​ー

大赦

恩赦の一種。政令で罪の種類を定めてこれを行い、有罪の言渡しを受けた者については、その言渡しは効力を失い、まだ有罪の言渡しを受けない者については、公訴権が消滅する(恩赦二・三)。
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特赦

恩赦の一種。有罪の言渡しを受けた特定の者に対して行われ、有罪の言渡しの効力を失わせる(恩赦四・五等)。
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減刑

恩赦の一種で、確定判決による刑を減軽し、又は刑の執行を減軽するもの(憲七・七三、恩赦六・七)。政令によって罪又は刑の種類を定め、これに該当する者に一律に適用する政令減刑と、特定の者に対して行う特別減刑とがあり、刑の執行の減軽は後者の場合にのみ行われる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

​刑の執行の免除

有罪判決で確定した刑についてその執行のみを免除すること。刑の免除の場合と異なり、刑に処せられたことになるから、累犯の成立等において前科として扱われる。恩赦の一種として認められるもの、刑の時効完成の効果として認められるもの、同一行為について外国で判決を受け外国で既に刑の一部又は全部の執行を受けたことによって認められるものなどがある(恩赦八、刑三一・五)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

​復権

有罪の言渡しを受けたため法令の定めるところにより資格を喪失し、又は停止された者に対し、その資格を回復するもの(恩赦九・一〇)。恩赦の一種。また、刑法上も復権の制度がある(刑二七・三四の二)。
破産者が破産者でなくなること(破二五五・二五六)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

 

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