​財産・財物・資産・財団

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財産

広く有形・無形の金銭的価値を有するものの総体をいう。例えば、財産権、私有財産等。また、特定の主体を中心に、又は特定の目的の下に結合している財産権の総体の意味に用いられる。各個別の規定は、積極財産(資産)だけを指す場合と、消極財産(負債)をも含む場合とがある。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​財物

  1. 広く経済的価値又は効用を有する、財産権の目的となる全てのもの。

  2. 刑法上は、窃盗・強盗・詐欺・恐喝・横領罪、盗品等に関する罪などの財産犯の客体となる物をいう。動産に限らず一般的には不動産も含む(窃盗罪については動産に限られ、不動産に関しては別に不動産侵奪罪が置かれている)。必ずしも客観的な経済的交換価値を備えている必要はなく、所有者、所持者の主観的な価値があればよいとされる。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

貨物

一般には、有形の財産又は動産をいう。

  1. 「外国為替及び外国貿易法」では、動産のうち、貴金属(金の地金、金を主たる材料とする物等)、支払手段(銀行券、政府紙幣、硬貨、小切手、為替手形等)、証券(公債、社債、株式等)その他債権を化体する証書を除いたものをいう(六①)。貨物の輸出・輸入は、一定の範囲で経済産業大臣等の許可・承認を受けなければならない(四七~五四)。

  2. 関税法上の貨物の範囲は右より広く、貨物の輸出・輸入についての税関手続が定められている。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

資産

一般的には財産。会計学上は、企業によって所有され、将来において収益をもたらし得る財産。[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

資金

  1. 広く営利のため、又は事業等の経営のために用意された元手となる金銭、預金等の財産のこと。例、設立資金、運転資金。

  2. 一定の用途や目的と結びついてそれらに供するために保有される金銭その他の財産。例、政治資金、育英資金。

  3. 国の財政関係法令では、一会計年度を超えた特定の目的、用途に充てるために保有される金銭の意。地方自治関係法令では「基金」という。

  4. 為替手形又は小切手の支払人が振出人に支払義務を負う金額

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​財団

一定の目的のために結合された財産の集団をいう。財団は,次の2つの種類に大別される。イ抵当権の目的とするために設定される工場財団を始めとする各種の財団(⇨財団抵当')や*破産財団'のように,第三者の権利の目的とし,あるいは第三者の権利を保護するために所有者の他の財産から区別するために構成されたもの。ロ*財団法人'のように,一定の目的をもっている財産を個人の権利に属させないで,独立のものとして運用するために認められたもの。
[有斐閣 法律学小辞典 第5版]

知的財産

知的財産とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいいます(知的財産基本法2条1項)。

ー財産の分類ー

①土地に定着しているか否かによる分類ー

不動産

土地及びその定着物をいう。不動産以外の物は、全て動産である(民八六①②)。その所在が一定していること、一般に高価なことから、沿革上、現行法上、動産と別個の取扱いを受ける。登記が物権変動の対抗要件とされる(一七七)ほか、権利の得喪変更に慎重な手続を要する(一三①・八六四)。なお、本来は不動産ではないが法律上不動産と同様の取扱いを受けるもの(船舶(商六八六・六八七・八四八等)、工場財団(工抵一四①)、鉱業権(鉱業一二)等)がある。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

動産

  1. 民法上は、不動産以外の物全てをいう(八六②)。更に、無記名債権のように動産とみなされる物がある一方で、船舶のように一見動産であるが特別法により不動産に準じて取り扱われる物がある。

  2. 民事執行法上、強制執行の目的物としての動産には、登記できない土地の定着物などが更に含まれる(一二二①)。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

②所有者による分類

​私有財産

個人又は私的団体の所有に属する財産。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

公の財産

通常、国又は地方公共団体の財産の意。代表的な用例としては、憲法八九条の「公金その他の公の財産」についての支出又は利用制限の規定がある。国の財産の種類、管理等の基準については国有財産法、物品管理法等に規定されており、地方公共団体の財産については地方自治法に規定されている。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

​国有財産

国の所有する財産のことであるが、通常は狭義に、国有財産法に規定する国有の不動産、これに準ずる重要な動産、権利等を指し、行政財産普通財産に分類される(二・三①)。行政財産は、特定の目的又は用途をもつもので、貸付け、交換、売払い、私権設定等が制限され、普通財産は、特定の目的又は用途を有しないもので、貸付け、交換、売払い、私権設定等の対象となりうる(三②③・一八~三一)。なお、広義で国の所有に係る全ての財産をいう場合には、「国有の財産」ということが多い。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

公有財産

広義では、地方公共団体の所有に属する一切の財産をいう。地方自治法上は、このうち、不動産、これに準ずる重要な動産及び権利等のみを指し、その他の動産や債権等と区別され、行政財産普通財産とに分類される(二三七①・二三八等)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

ー​国有財産・公有財産の分類ー
 

​行政財産

国有財産の分類の一種で、行政上の特定の用途又は目的に供されるものをいい、普通財産に対する。国有財産法上、公用財産公共用財産皇室用財産及び企業用財産の四種に分けられている(三)。原則として、貸付け、交換、売払い等をすることはできず、私権を設定することもできない(一八)。なお、地方公共団体の公有財産についても、公用又は公共用に供される財産を行政財産という(自治二三八③・二三八の四)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

普通財産

国有財産のうち、国の事務、事業等の用に供する公用財産等の行政財産以外の一切の財産をいう(国財三③)。財務大臣が管理又は処分をし、国有財産法の規定に従って貸付け、売払い等ができるとされている(六・二〇~三一)。地方公共団体の公有財産についても、同様の分類が行われている(自治二三八③④~二三八の五)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]


 

ー文化財及び文化的所産

有形文化財

有形文化財とは,建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料をいいます(文化財保護法2条1項1号)。

国宝

国宝とは,重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものとして,文部科学大臣が指定したものをいいます(文化財保護法27条2項)。

無形文化財

無形文化財とは,演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いものをいいます(文化財保護法2条1項2号)。

民俗文化財

民俗文化財とは,衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものをいいます(文化財保護法2条1項3号)。

記念物

記念物とは,貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとつて歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁りよう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとつて学術上価値の高いものをいいます(文化財保護法2条1項4号)。

史跡名勝天然記念物

史跡名勝天然記念物とは,記念物のうち重要なものを史跡、名勝又は天然記念物として,文部科学大臣が指定したものをいいます(文化財保護法109条1項)。

特別史跡名勝天然記念物

特別史跡名勝天然記念物とは,史跡名勝天然記念物のうち特に重要なものを特別史跡、特別名勝又は特別天然記念物として,文部科学大臣が指定したものをいいます(文化財保護法109条2項)。

文化的景観

文化的景観とは,地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないものをいいます(文化財保護法2条1項5号)。

伝統的建造物群

伝統的建造物群とは,周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いものをいいます(文化財保護法2条1項6号)。

文化的​所産

美術品

美術品とは,絵画、彫刻、工芸品その他の有形の文化的所産である動産をいいます(美術品の美術館における公開の促進に関する法律2条1号,展覧会における美術品損害の補償に関する法律2条1項)。

文字・活字文化

文字・活字文化とは、活字その他の文字を用いて表現されたものを読み、及び書くことを中心として行われる精神的な活動、出版活動その他の文章を人に提供するための活動並びに出版物その他のこれらの活動の文化的所産をいいます(文字・活字文化振興法2条)。

 

音楽文化

音楽文化とは、音楽の創作及び演奏、音楽の鑑賞その他の音楽に係る国民娯楽、音楽に係る文化財、出版及び著作権その他の著作権法に規定する権利並びにこれらに関する国民の文化的生活向上のための活動をいいます(音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律2条1項)。

古典

古典とは、文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸、生活文化その他の文化芸術、学術又は思想の分野における古来の文化的所産であって、我が国において創造され、又は継承され、国民に多くの恵沢をもたらすものとして、優れた価値を有すると認められるに至ったものをいいます(古典の日に関する法律2条1項)。

伝統芸能

伝統芸能とは,我が国古来の伝統的な芸能をいいます(独立行政法人日本芸術文化振興会法3条)。

 

現代舞台芸術

現代舞台芸術とは,我が国における現代の舞台芸術をいいます(独立行政法人日本芸術文化振興会法3条)。

アイヌ文化

アイヌ文化とは、アイヌ語並びにアイヌにおいて継承されてきた音楽、舞踊、工芸その他の文化的所産及びこれらから発展した文化的所産をいいます(アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律2条)。

​意匠

意匠法では、物品(物品の部分を含む)の形状、模様若しくは色彩又はその結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものと定義される(二①)。創作された意匠で意匠法に基づいて登録されたものは、意匠権として法律上保護される(四章)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]